アルザス地方

冷涼な産地で、薫り高いアロマティック品種の宝庫のアルザス地方

アルザス地方はフランス北東部に位置し、ライン川を挟んでドイツと国境を接する地域で、その独特の地理的・文化的背景がこの地のワインの特徴にも大きく影響しています。
アルザス地方の西側のヴォージュ山脈が雨交じりの偏西風からブドウ畑を保護し、夏は晴れの日が多く、秋は乾燥しており、フランスで最も降水量が少ない産地のひとつです。ブドウ畑はヴォージュ山脈の東側丘陵にあり、標高200〜400mの斜面に広がります。

また、アルザスの土壌はモザイクと表現されるほど多様性に富んでおり、この土壌の複雑さがこの地方で造られるワインのスタイルに幅広さをもたらす重要な要因になっています。

アルザスワインのほとんどはアロマティック品種系で造られる白ワインで、「高貴品種」と呼ばれる4品種、リースリング、ピノ・グリ、ミュスカ、ゲヴュルツトラミネールをはじめ、ピノ・ブラン、シルヴァネール、ピノ・ノワールなどの品種が栽培されており、多くの場合単一品種で造られます。
また白ワインの他にも、甘口の「ヴァンタンジュ・タルディヴ(遅摘み)」、「セレクシオン・ド・グラン・ノーブル」や、スパークリングワインの「クレマン・ダルザス」、ピノ・ノワールから造られる赤ワイン、そして今話題のオレンジワインまで、多種多様なワインが産出される魅力的な地域です。

おススメ郷土料理

  • シュークルート(乳酸発酵させた塩漬けキャベツ)
  • ベッコフ(肉と野菜の白ワイン蒸し煮)
  • タルト・フランベ(アルザス風薄焼きピザ)
  • フォワグラ・ドワ(ガチョウのフォワグラ)
  • クグロフ(レーズン入りブリオッシュ)
  • チーズ:マンステール(牛乳、ウォッシュチーズ)
  • パン・デピス(ジンジャーやシナモン、アニスなどで香り付けした蜂蜜風味のケーキ)

主なブドウ品種

リースリング、ピノ・グリ、ミュスカ、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・ブラン、シルヴァネール、ピノ・ノワール

おススメ生産者

ドメーヌ・アルベール・ボクスレ Domaine Albert Boxler

アルザス三ツ星生産者が手掛ける芳醇なワイン

アキタ・ユウキ Akita Yuki

ドメーヌ・アルベール・ボクスレで活躍する日本人ワインメーカー

ディスティレリー・メッテ Distillerie Mette

多様なオードヴィーを造りだす「オードヴィーの法王」

参考文献:日本ソムリエ協会教本2024年版

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