佐浦

本物の酒を丁寧に造って、丁寧に売る

普通酒を佐浦家の初代は佐藤富右衛門という人物で、京都から塩釜に来て三浦屋権右衛門の婿養子となり、屋号を両家から一字ずつ取って「佐浦」としたのが始まりです。

1724年に酒造りを始め、江戸時代後半には鹽竈神社の御神酒酒屋の看板を授かりました。以来、地元の名士として地域の発展に多大な貢献をしています。

現当主弘一氏にまで引き継がれていく中で、名杜氏平野佐五郎氏・重一氏との出会い、12号酵母(平野酵母)の発見、吟醸タイプの市販酒がほとんど市場になかった1973年に誕生した「浦霞禅」の発売などで着実に品質を向上させていきました。

佐浦では、大吟醸クラスでは山田錦を使用する一方、地域性を大切にしており、酒造好適米の蔵の華、吟のいろはや、一般米のトヨニシキ、ササニシキなど、地元米が全使用量の90%を占めます。お酒は基本的に自家酵母で醸され、上品な味わいを表現しています。

酒造りのこだわり

浦霞の酒造りの基本は、平野佐五郎・重一が築き上げた南部杜氏流の酒造り。佐五郎は、吟醸造りの名人として知られ、特に麹造りに力を入れていました。
種切りをする(種麹を振る)重一の所作は芸術的ですらあったと後の杜氏は語り、その姿を追いかけるように、今も麹造りに向き合っています。

そして、南部杜氏流の真骨頂と言えるのが、低温長期発酵によるほど良い香りときれいな酒質を生み出すもろみ造り。吟醸酒では10度以下の低温で30日ほどかけて発酵させますが、絶妙な温度調整が常に求められ、この状態を保つのは至難の業です。

仕込みから上槽まで、もろみは日々変化していきます。成分分析の結果ばかりでなく、杜氏を中心に蔵人が真摯に向き合いこの変化を読み取ることで、浦霞らしい香りと味のバランスの取れた酒を造り続けています。

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