ドメーヌ・アントワーヌ・アレナ
コルシカワイン界のレジェンド
アントワーヌ・アレナは、コルシカワインを守る為に立ち上がった島の英雄であり、自然派ワインの先駆者と言われる生産者です。
アレナ家は代々、パトリモニオでワイン造りを行ってきたワイン農家。アントワーヌ・アレナは、法律を勉強するためにコルシカ島を離れましたが、島への愛情から、父親の猛反対を押し切り23歳で家業に入りました。1970年代当時、コルシカワインと言えばバルク売りの安価なワインが中心で、不正も横行しており、コルシカワインのイメージは最悪だったからです。
受け継いだ当初は3ヘクタールの畑でしたが、荒地や石灰質の岩山などを自ら削ってブドウ畑の開墾を行い、現在、畑は約16ヘクタールまで広がっています。
アレナ家が代々大事にしてきた家族の絆、自然への尊敬と共存という精神でテロワールを重視したワイン造りに励み、2000年以降は二人の息子、アントワーヌ・マリーとジャン・バティストが加わり共にワイン造りを行っています。
また、アントワーヌは、少しずつ2人の息子達に畑を引き継いでおり、2014年ヴィンテージから兄弟それぞれの名前で瓶詰めを行っています。
長男のジャン・バティストには、「グロット・ディ・ソール」「モルタ・マイオ」、
次男のアントワーヌ・マリーには「カルコ」「オー・ド・カルコ」「ビアンコ・ジャンティーユ」を引き継いでいます。
アントワーヌのワインはフランス本土で品質が認められ、星付きレストランや限られたカーヴでしか取り扱いできない存在となり、コルシカが優れたワイン産地だということを世界に認めさせるきっかけとなりました。
残念なのは、地元ではほとんど購入不可能な幻のワインとなってしまったこと。
また、一度絶滅しかけた土着品種ビアンコ・ジャンティーユの栽培を1996年から復活させるなど、コルシカワインの発展に力を注いできた誰もが認めるコルシカワイン界のレジェンドです。
「ビオディナミ」や「有機栽培」のルールにとらわれない、伝統的な自然農法
パトリモニオはコルシカで最初に認定されたAOCで、島の北部に位置しています。
島の中では珍しい石灰岩土壌が見られる地域で、昼間は強い日差しと海からの乾燥した風。夜になると冷え込み、山から湿った空気が流れ込み、ブドウ栽培に絶好の条件が揃っています。
アレナの畑では除草剤や化学肥料を使用しない、代々受け継がれてきた伝統的な自然農法(有機栽培)を行ってきました。ビオディナミを実験的に導入した時期もありましたが、ビオディナミは農薬や化学肥料を使用した土地を再生させるために行うもので、ずっと有機栽培だった土地には必要ないという考えに至り、止めたといいます。
アントワーヌ自身は有機認証には興味がありませんでしたが、息子の代になり有機認証を取得しました。しかし、彼らにとって有機農法は当たり前のことなので、ボトルには一切表記はありません。
醸造面においても、マルセル・ラピエール氏、ティーリー・アルマン氏、イヴォン・メトラ氏などと若いころから刺激し合い、早くから自然な醸造アプローチを行ってきた自然派ワインの先駆者です。
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